オオグソクムシに次ぐアイドル候補!?未知の深海生物登場
「親潮アイスボックス」コーナーにて、貴重な深海生物の展示を開始しました。
泳ぐ姿がちょっと不気味。でも気になっちゃう。どちらも飼育の難しい生き物です。お早めにご覧ください。
※情報は公開時のものです。
展示開始日 | 2021年7月18日 |
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展示場所 | 2階親潮アイスボックス |
- ヒロメオキソコエビ
- フトヒゲソコエビ上科オキソコエビ属
- Eurthenes aequilatus
ヒロメオキソコエビは、深海に生息するヨコエビの仲間です。本種は、2017年に北海道知床沖で採集されMarine Biodiversityに新種として公表されましたが、それ以降採集等の報告例がありません。オキソコエビの仲間は、深海潜水艇の映像で餌に群がる様子が紹介されることの多い種類ですが、生態的な情報はほとんどわかっていません。
今回の展示個体は、2021年6月26日、北海道羅臼沖水深800-1200mの刺し網漁によって採集されました。全長は約4cm。この種の仲間は、色彩のバリエーションが多い種がいることが知られており、本種もこれまでに北海道羅臼沖で体色が紫、白の2色が確認されています。アクアマリンふくしまでは今年紫色の個体を展示していますが、白色個体は今回が初展示で、世界でも生きている姿が見られるのはアクアマリンふくしまだけです。
前回の展示の様子
- 紫色個体展示期間
2021年5月27日初展示個体 展示日数:39日
2021年6月25日展示個体 展示日数:12日 - カイメンの中や隙間で休むような行動が観察されました。
動画
- ウオノシラミ属の一種
- グソクムシ科ウオノシラミ属
学名:Rocinela sp.
ウオノシラミ属は、アイドル的人気を誇るオオグソクムシと同じウオノエ上科の深海の甲殻類です。オオグソクムシは死んだ魚などを食べますが、ウオノシラミの仲間は魚につき体液を吸う寄生虫です。また、本属は、世界から40種以上知られ、このうち日本近海から7種の報告があり、現在、詳細な種を同定中です。今回の個体は、北海道羅臼沖水深800-1200m、刺し網漁によって採集されました。網に絡まり採集されたため、寄生されていた魚種は不明です。全長は約3cm。当館では初めての展示です。