妖艶な深海イソギンチャク「クラゲイソギンチャク属の一種」初登場
*展示を終了しました(2021年11月23日)
クラゲイソギンチャク属の一種を2階「親潮アイスボックス」コーナーに展示しました。展示を通して、謎多き生態に迫ります。
展示開始日 | 2021年10月1日(金) |
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展示場所 | 2階 親潮アイスボックス |
展示個体 | 1個体 |
- 採集場所 北海道沖水深約500~900m
- 体長 4cm
今回の展示個体は、国立研究開発法人水産研究・教育機構の協力により、水産庁の「水産資源調査・評価推進委託事業」の一環として実施された、漁業調査船「若鷹丸」の底曳き網による資源調査の際、混獲された生物を提供していただいたものです。
生きた状態での採集例が大変少なく、生態について謎の多いクラゲイソギンチャク属の一種ですが、その生態を明らかにする一助となることを願って、今回展示することにしました。
- クラゲイソギンチャク属の一種
- Actinoscyphiidae科クラゲイソギンチャク属
学 名 Actinoscyphia sp.
クラゲイソギンチャク属は、これまでに日本では相模湾から1種が記録されているものの、複数種が混じっている可能性があり、その分類についてはよく分かっていません。また世界で記録されている6種の中には、その姿が植物の「ハエトリグサ」を連想させることからその名がつけられた「ハエジゴクイソギンチャク」が含まれ、この種は「息をのむほど美しい死の罠」として、国際的な学術誌でも紹介されています。六放サンゴ亜綱は発光種がとても少なく、イソギンチャク目では本属とクビカザリイソギンチャク科のみです。このように、発光自体が珍しい深海のイソギンチャク類ですが、この属の中には「発光種」が含まれることが、2012年に報告されています。